学校に行きたい


パキスタンとアフガニスタンの国境に位置する、ワハーン回廊と呼ばれる地域。


この世界でも有数の辺境地に立つ、小さな小学校へと通って学ぶ、ワハーン人のパリイという女の子。


パキスタン側には、いくつかの小学校が存在している。


公立の小学校もあるし、地元の人々が共同で運営しているものもある。


しかし、ここに暮らす全ての子どもたちが学校へと通っているかというと、そうではなかった。


特に女の子は学校に行っていない子どもが多いように感じた。



ある村の家を尋ねた時に一人の少女に出会った。


彼女は学校には行っていなかった。


ここから学校へと通うには子どもの足だと速く歩いても1時間はかかるだろう。


しかし、それでも彼女は本当は学校へ行きたいと私たちに話した。


聞いて見ると1年間の学費は80ドルほどらしい。たったの80ドルでこの子が学校に行けるのなら、出そうじゃないかという話になった。


しかし、家族である母親はそれを拒んだ。


「たとえ学費をもらっても、この子を学校に行かせない。この子には、家畜の世話をしてもらわなければ困る。人手が足らない。」という。


この地域では放牧を生業とし、家畜の世話は基本的に女性の仕事として行われている。


学校へ全く行かずにこのまま成長すれば、おそらく文字を書くことはできないし、

計算もままならない。将来の生きる選択肢は家畜を育てることしかない。


誰か他に家畜の世話のできる人はいないのか?工夫すれば何とかなるのでは?


彼女の目を見ると、どうしようもない自分が悲しい。

そして、生まれた環境が違いすぎる日本の子どもたちの顔を思い浮かべた。


熱っぽくしんどいと言うので、水をたくさん飲んで寝た方が良いと話すと、

彼女はすぐに横になって、眠った。


後から話を聞くと、彼女のような子は他にもたくさんいるらしい。 

忘れはしない、この写真の中心に立つ家に、彼女は暮らしている。