胡楊樹

May 12, 2018

砂漠の道を行くと、一軒の家に着いた。

 

周りには家畜小屋と砂漠しか見えない。

 

一週間に1回も車が通らないそうだ。

 

この先、

ダリヤブイを目指しても夕暮れには間に合わない。

この家で一泊することになった。

 

これはダリヤブイを含め、

タクラマカンに暮らすケリヤ人の伝統的な家屋。

家は多くの部分が胡楊の木で出来ている

 

胡楊はアジアの砂漠地帯に植生する

水分が非常に少ない木で、

その分硬くて丈夫であり、

このダリヤブイ周辺では

切り出して様々な道具の材料として使われている。

 

秋になると葉が黄金色に色づき、

とても美しい姿を見せる。

 

荒涼たる砂漠に悠然と立つ

胡楊の木たちの強い生命力は、

大昔からここの人々の暮らしを支えてきたのだった。

 

中に入ると、火を焚いてナンを焼く暖炉のある部屋に案内された。

 

こねにこねたナンの生地を直に置き、熱したタクラマカン砂漠の砂を上からかぶせて焼く。

砂の上に赤く熱を帯びているのは胡陽の木のかけら。

 

中は柔らかく、周りはかりかりしていて美味しいが、なかなかたくさんは食べられない。

 

タクラマカン砂漠風味のナンを食べたあと、部屋に入って眠ることにした。

 

真夜中、目が覚めて外へ出てみると、そこには暗闇の中に光る星空と、無音の世界が広がっていた。

                     ー100ー

 

 

 

 

 

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