新疆ウイグル西域南道。
できるだけケリヤ人たちの素朴な生活風景を見ようと、
大きな検問を素知らぬ顔でくぐりぬけ、ひたすら歩きながら街の郊外へ出ていた。
日が沈みかけた夕方の学校からの帰り道、
赤い布を首に巻いた子どもたちがたくさん歩いて来た。
その中で近くにいた一人の少女が声をかけてくれた。
年齢は聞かなかったが、おそらく9歳か10歳くらいだ。
日本を知っていて、関心があるらしい。
聞いてみると、ジャニーズの道枝駿佑という子が好きだという。
このウイグルの辺境地でジャニーズ好きに出会うとは思ってもみなかったが、
日本に興味を持ってくれるウイグルの子どもがいてうれしかった。
大きくなったらぜひ日本に来てくださいと伝えると、
うなずいて行きたいと答えてくれた。
ふと見上げれば、あちらこちらに見える殺伐とした大きな検問所や大量の監視カメラ。
うれしさと悲しさの両方が入り混じる。