#142 忘れない
top of page

#142 忘れない

辺境で、もてなしてもらった思い出は一生忘れない。


足を滑らせたら死ぬかもしれない氷河と雪の中を歩いて疲れ果て、

身体中が痛くてボロボロになっていたときにようやく辿り着いた村、

その時に耳に届いた子どもたちのあの声と笑顔は忘れない。


短い時間だけど村人たちと一緒に過ごして、

生きているだけでそれはほんとうにすばらしいことなのだと教えてもらった。


「どうせもう来ないんでしょ?」


その期待は裏切らなければいけない。


bottom of page