夕方に到着したこともあって、すぐに外は少しずつ暗くなり、肌寒くなってきた。
おそらく夜になれば寒すぎて簡単に野宿できそうにもない。
そう思いながらイラン中部の山奥の斜面に家が立つ村を一人で見下ろしていた。
しかし、もはや街に戻ることもできない。
バフティアリの遊牧民が定住化してできたというこの村。
たまたま近くにきた女性に声をかけて家に宿泊させてもらえることになった。

子どもたちもたくさんやってきて、
日本のお正月に親戚一同が祖父母の家に集まる日かのような雰囲気だった。
自分だけが余所者だったが、一緒に食事を楽しみ、一夜を過ごさせてもらった。
「遠慮しなくていいぞ、食べていいんだ。」
それは日本のニュースでイメージするものとは全く違う、イランの人々の温かさ。

