遥かなるシルクロード、新疆ウイグル西域南道。
タクラマカン砂漠の南側を沿って東西に伸びる交易路。
砂漠への入口を意味するケリヤという町の郊外へと来た。
1つの大きな検問といくつかの小さな検問を何とか素通りし、市内から離れてかなり遠くまで歩いてきた。
砂漠の民ケリヤ人の消えかけている素朴な生活を少しでも見たかったからだった。
夕暮れ時になり、偶然出会った素敵な笑顔がこの写真。
両耳のピアスが超お似合いの女の子が、お手製のブランコに乗って遊んでいた。お婆ちゃんが横に座っていて、お母さんも出先からちょうど帰宅してきたところだった。日本人が来たというので喜んでくれ、4人で和やかに片言のウイグル語で話をしていた。
女の子の笑顔が可愛いくて素敵だった。
しかし、この笑顔は数十秒後すぐにかき消される。
後ろに何か気配を感じ、振り向くと、いつの間にか目の前に大きな青いサイレンが眩しく光っていた。
武装して顔をしかめた男がすぐに車から降りてきた。
ー「おい、今何を話していた。」
Comments