イランには、バロチスタン州というところがある。
バロチスタンの海沿いの道を車に乗って移動していたときのこと。
夕暮れ時、小腹もすいたので、
買い物をしようかと偶然通りがかった街に立ち寄ることにした。
お店の前まで行くと、素敵な民族衣装を着た小さな女の子に出会った。
この年齢にしてピアスも決まっていて、相当なお洒落さんである。
どうやらお札を持ってケバブのお買い物に来たらしい。
しかし、バロチスタンの女性たちは、みな日常生活でこのような民族衣装を着ているのが普通だ。可愛いアクセサリーもよく身につけている。
だから、現地のまわりのバローチ人たちは、このような服装を見ても当たり前すぎて何とも思っていないわけだが、私にはこの子が着ている衣装が特にきれいで可愛く、すこぶる魅力的に見えた。
衣装の全面と背中、足元の裾にある模様のほとんどが手で刺繍されたもので、まだ新しかった。
お母さんがこの子のために、何週間、何ヶ月もかけてがんばって作ったものなのだろう。
Comments