イエメンのハドラマウト地方。
ハドラミーという人々が暮らしている。
かつては南イエメンという別の国だった。
砂漠気候で、人口は少ない。
首都サナアの方とは文化も違っていて、
短刀を腰につける人は少なく、石ではなく泥でできた建物が目立つ。
時間が数百年以上前のアラブ世界にタイムスリップしたかのように錯覚するほど、
古く、伝統的な建造物や衣装、装飾品などがたくさん残っている。
その代わり、今までに訪れたことのあるイスラムの浸透した国の中で、最も保守的だと言っても良いほどの様相で、真っ黒のベールに身を包んだ大人の女性などは、絶対に見知らぬ男性には近づいてはこない。
また、冬とは思えないほどこの地域は暑く、乾き、枯れていた。
何か常に貧しさと内戦のイメージがつきまとうイエメン。
確かに食べ物を乞う人も見たし、貧しい人もいた。
しかし実際この地域においては、
多くの人々がこの与えられた環境で精一杯働き、祈り、
何気ない日常を力強く、明るく生きる姿が最も印象に残った。
そして素敵な笑顔あふれる子どもたちにも、たくさん出会うことができた。