翌朝、また砂漠の砂で焼いたナンを食べて、すぐに出発することにした。
まだ先は長い。
ここからはもはや道ではなく、砂の中を走って行く。
車が砂にはまって動かなくなったり、
ケリヤ川の水が道をふさいでいるのを
乗り越えたりしながら3時間、四輪駆動車で走った。
すると道の途中で、またもや一軒の孤立した家に出会った。
こんな、周りに砂以外に何も無いようなところに、また人が住んでいる・・・。
少し立ち寄ってみることにした。
そこには二人の老夫婦が住んでいた。
子供と孫がいるが、今日はダリヤブイに遊びに行っていないという。
胡陽の木々には枯れた葉がたくさんついていた。
そして少し休憩させてもらったあと、
さらに車を走らせた。
ケリヤ川を横目にまた1時間。
少しずつ村へと近づいているように感じた。
川が近くなり、胡陽の木が増えてきた。
気持ちも少しずつ高ぶり、もうそろそろ着くんじゃないか・・。
そう思い始めた時。
今までは、まばらに立っていた胡陽の木々が、だんだんと密集し始めた。
もう、本当に近い。すぐそこだ。
そして、胡陽の木々の間をゆっくりとすり抜けていくと・・
ついにその先に、家がたくさん集まった「村」が姿を現したのだった。
本当にこんな道すら無い隔絶された砂漠のはるか奥地に「村」があった。
人がこんなに住んでいる。
家もたくさんある。
ついに足を踏み入れた。
ここがダリヤブイ村・・・!