バローチの奏

南部シルクロード、乾いた砂漠と山々がその土地の大半を占めるイラン東部、シスタン・バロチスタン州。


ビンジヨ(Benjo)と呼ばれるバローチ人の民族楽器を奏でる少女がいた。


右手で弦をはじき、左手で弦をおさえるためのボタンのようなものを押している。

驚くほどの早弾きだ。父親が楽器職人なので、いつも練習しているのだろう。


悲しみと力強さ、二つが折り重なって流れるように感じるそのメロディーと共にゆっくりと目を瞑れば、知るはずのない遥か昔からこの土地で暮らして来た人々の暮らしが、声が、心の中で想起されていく。